古河電気工業
JT-60SA・ITER向けの低温超伝導線材と、米国子会社SuperPowerのREBCO高温超伝導線材を供給する素材企業。Tokamak Energyとの供給・開発協力を基盤に、FASTや英国でのHTS線材能力の検討へ関与を広げている。
企業の公式サイト ↗研究装置向け供給・次世代機器開発
- COUNTRY
- 日本
- TECHNOLOGY
- 要素技術
- FOUNDED
- 未確認
- FUNDING
- 未確認

事業上の役割と製品
古河電気工業は、核融合装置の強磁場を支える超伝導線材・導体のサプライヤーである。日光事業所を中心とする低温超伝導のNbTi・Nb3Snと、米国子会社SuperPowerが製造するREBCO系高温超伝導(HTS)線材の両方を持つ。完成した核融合炉ではなく、コイルメーカーや磁石開発者が利用する線材と、その性能・製造技術を提供する位置にある。同社の超電導技術
製造実績と供給関係
2024年1月の同社発表資料によると、2008~2013年にJT-60SAのCS・EF・TFコイル用素線を製造した。ITERの中心ソレノイド向けには2014~2017年にNb3Sn素線36トンと2モジュール分の撚線を製造。グループ内で素線から多段の撚線加工まで分担しており、研究用途の材料開発に加えて大型装置向け製造の実績を持つ。ITER/BA成果報告会資料
HTSではTokamak EnergyにSuperPower製線材を供給してきた。2025年6月20日には日本で共同の活動拠点を設けるための覚書を発表し、線材・磁石の設計開発協力とFASTへの技術提供方針を示した。2026年7月15日にはFASTを推進するStarlight Engineへの出資契約も発表している。ただし、協力方針や出資を、FAST向け機器の納品完了と読み替えることはできない。2025年の覚書・2026年の出資契約
バリューチェーンでの意義
磁石の性能は、線材が低温・高磁場下でどれだけ電流を流せるかに左右される。古河電工は長尺の材料を供給するとともに、機械的な負荷に耐える導体構造を研究し、材料性能をコイルへつなぐ上流工程を担う。従来型の大型研究装置に用いるLTSと、小型炉開発で活用が進むHTSを持つことは、異なる磁石設計に対応する基盤となる。量産線材と高磁場向け開発
開発段階と残る課題
2026年6月15日に発表したTokamak Energyとの英国協業は、研究開発・試作・製造プロセス評価などの初期プログラムである。英国での量産工場の稼働や、STEP向け線材の確定受注を発表したものではない。英国HTS協業の公表範囲
今後の技術的な焦点は、高磁場と強い電磁応力の下での通電性能を保ちながら、製造歩留まりと供給能力を向上させることにある。同社資料も原型炉用導体の堅牢性と合理的な製造を課題としている。線材の供給実績と、磁石完成・炉運転・発電実証は、それぞれ別の到達点として確認する必要がある。原型炉導体の開発課題
企業 DATA
- 国
- 日本
- 地域
- アジア
- 企業カテゴリー
- サプライヤー
- 方式・炉型
- 要素技術
- 開発段階
- 研究装置向け供給・次世代機器開発
- 古河電工|ITER/BA成果報告会資料(2024-01)
- 古河電工|超電導技術
- 古河電工|Tokamak Energyとの覚書(2025-06-20)
- 古河電工|英国HTS線材能力の共同開発(2026-06-15)
- 古河電工|Starlight Engineへの出資契約(2026-07-15)
確認日:2026-10-08
公式一次資料に基づく。製造・供給、受注、現地試験、炉運転を区別。