Helion Energy

FRCをパルス圧縮し、電磁誘導で電力を直接回収する炉開発企業。PolarisのD–T実験とOrionの整備を進めるが、正味発電とD–He3燃料の商用化は引き続き検証課題。

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FUSION INDUSTRY掲載日 2026-10-07更新 2026-10-085 MIN READ
CURRENT STATUS

試作機実験・初号発電所の整備

情報確認日:2026-10-08
COUNTRY
アメリカ
TECHNOLOGY
FRC
FOUNDED
2013
FUNDING
未確認
DEVELOPMENT ROADMAP
CONCEPT構想
DESIGN設計
CONSTRUCTION建設
FIRST PLASMA初プラズマ
NET ENERGYエネルギー利得
PILOT PLANT実証プラント
COMMERCIAL商用運転

一般的な段階の参照図です。この企業・計画の正確な到達地点は未確認のため、位置を確定していません。 方式や事業によって開発経路は異なります。

Polarisで反応・電力回収を検証し、Orionへ展開

Helion Energyの事業・開発工程。FRCを生成・圧縮:プラズマを衝突させ、パルス磁場で圧縮、Polarisで試験:D–T反応を報告、装置・計測を検証、電力回収の開発:磁場を介して回収、発電所全体の収支は別評価。
パルス核融合から、電力の回収を目指す。反応の実証や電力回収は、所内消費を差し引いた正味発電の証明とは異なる。FUSION INDUSTRY 編集部作成(独自概念図)

パルス圧縮と電力回収を一体で開発

Helion Energyは米ワシントン州の炉開発企業。装置の両端で磁場反転配位(FRC)プラズマを作り、中央へ加速・合体させ、強い磁場で短時間に圧縮する。反応後に膨張するプラズマが外部磁場を押し返す際、コイルに誘導される電流を回収する設計だ。蒸気タービンを介さず、投入した電磁エネルギーの再利用と核融合由来の電力回収を組み合わせる。パルス電源、コンデンサ、磁石、計測・制御を含む発電システムが開発対象である。公式技術解説

Polarisの実験とOrionの建設準備

第7世代試作機Polarisは2024年末に運転を開始。2026年2月13日、同社は重水素・トリチウム(D–T)核融合の測定と約1億5,000万℃のプラズマ温度を発表した。これは反応と高温化の成果であり、発電所全体の正味電力実証を報告したものではない。同年6月16日には、マラガの初号発電所Orionについて州保健局の放射性物質・放射性大気放出の許可取得を発表。安全・建設手続きの前進と発電性能は別の評価項目となる。実験発表/許可取得

D–He3を目指す燃料サイクル

長期的には重水素・ヘリウム3(D–He3)を使い、荷電粒子に多くのエネルギーを配分して直接回収につなげる構想だ。希少なヘリウム3は、重水素同士の反応や生成トリチウムの崩壊を利用し、分離・回収する方針。試験では複数の燃料を使用する。D–He3はD–Tより高温など厳しい反応条件を要し、副反応による中性子も生じるため、「中性子ゼロ」「トリチウム不要」とは説明できない。燃料と実装課題

契約目標と実証すべき境界

2023年5月10日のMicrosoft向け電力購入契約発表では、2028年の稼働と、その後1年間の立ち上げを経て50 MW以上を目指した。一方、2026年5月更新のFAQはPolarisの目標を「核融合由来の電力の実証」と整理している。回収電力、装置内の収支、補機まで含む発電所全体の正味電力を混同してはいけない。繰り返し運転、部材寿命、燃料処理、系統連系を統合して成立させることが商用化の条件であり、契約年次は達成済みの実績ではない。炉心がパルス動作しても、外部への出力は蓄電・電力変換で平滑化する設計となる。高頻度運転時のコイルの疲労や熱負荷、放射線にさらされる材料の耐久性まで確かめる必要がある。事業性を見る際も、一度の高温到達だけでなく、回収効率と繰り返し性能を併せて追うことが重要だ。契約発表/測定境界と残る課題

企業 DATA

国
アメリカ
地域
北米
所在地
ワシントン州エバレット
設立年
2013
企業カテゴリー
炉開発企業
方式・炉型
FRC
燃料
D–He3が長期目標。D–D、D–Tも試験に使用
開発段階
試作機実験・初号発電所の整備
提携先
Microsoft(電力購入契約)、Constellation(電力マーケティング)
開発ロードマップ
Polarisで反応・電力回収を検証し、Orionへ展開
商用化目標
2028年の初号機稼働、1年間の立ち上げ後50 MW以上(企業目標)

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